LUNAの髪を整える — 毛束、耳まわりとワンピースの修正記録
2026-11-01

こんにちは、山口です。
今回は、LUNAの髪を作り直していく過程をまとめます。丸いボブの輪郭を残しながら、毛束や耳まわりをどう整えるか。ワンピースの柔らかさとシワの調整も、あわせて記録します。まだ完成形ではなく、修正と比較の途中の記録です。
掲載画像はV2の髪の制作工程。形状確認用の中立的な素材で描画した試作で、最終的な髪の質感を示すものではありません。
まずは、普通の髪を整える
朝は少しボサボサ、外出するときは綺麗に整える。同じ長さと基本の輪郭を持ちながら、違う状態をつくりたい。
最初の試作では、通常の髪に加えて、朝の乱れや片側をまとめる形も用意。ただ、肝心の髪がかつらのように見え、元のモデルと比べても質が足りなかった。状態を増やす作業はいったん止め、普通の髪の形から見直すことに。
横と後ろの輪郭を確認。カメラ、光、素材の条件をそろえ、色や質感で隠さずに輪郭を見る。新しい髪は、元の髪の頂点を流用せず、Blenderで独自の面と毛束の通り道から作成。
毛束を細かくするだけでは足りない
頭の上の膨らみを抑え、毛先を内側へ。束の幅や長さを変え、後ろの裾も丸く整える方向へ。
隙間を覆うための土台も試したけれど、毛束を覆ってヘルメットのように見えてしまう。これは表示から外すことに。束を増やした案も、均一に並ぶと板のような印象が残る。
そこで、大きな束と細い束を分け、丸く厚い毛先を少しずつ減らす。試作09では横と後ろの形を次の外側の層として残すことに。ただし、つむじの継ぎ目や、後ろの毛先の規則的な並びはまだ課題。


耳を出すことと、頭皮を隠すこと
左耳にかけた髪は、耳に当たらなければよいわけでもない。耳の表面から押し出すだけの調整では、髪が耳を覆ってしまった。別の案では耳が見える代わりに、その上の頭皮が広く露出。
毛束の左右の端が別々の経路へ進み、耳を横切る大きな面になっていた箇所も修正。一本の束は同じ経路で動かし、頭に沿ってから耳の後ろへ流す方向へ。
耳の上を覆う量と、耳の前を空ける量を何度も比較。交差の検査が通る版でも、つむじの継ぎ目は残った。数値と見た目を両方確認する必要がある。
外側を残して、内側の層をつくる
試作10からは、横と後ろの外側を残し、短い内側の層を追加。最初は耳まわりを避けた形だったけれど、それでは覆いが途切れる。次は頭頂から耳、後ろへつながる層を試すことに。
つむじの起点を狭めながら、襟足の長さは残す。
内側を膨らませると、今度は外側を突き抜けて棚のような形が出る。抑えすぎると頭皮に張り付き、耳まわりの余裕がなくなる。内側の曲線と外側に収まる範囲を調整し、短い襟足の束も追加。
試作14では、耳にかけた毛先を遠く後ろへ流さず、耳のすぐ後ろから首に近い位置へ落とす。後ろ側に開いた大きな隙間はつながった。ただ、耳の後ろの曲がり方はまだ強く、層同士の交差も残る。




髪の形で残っていること
耳の後ろの流れ、つむじの細部、層同士の交差はまだ調整中。朝の髪やピンでまとめる状態への展開も、普通の髪の形を確かめながら考えていきたい。
ワンピースの柔らかさとシワを調整する
続いて、LUNAのワンピースの動きの調整。身体を動かすと服が突き抜けたり、裾が脚に引っ張られすぎたりする。形を保ちながら、どこまで柔らかく見せられるか。布の変形を少しずつ混ぜ、シワの出方と形の崩れを見比べました。
裾が、太腿についていきすぎる
最初に見直したのは、片脚を上げたときの裾。太腿への追従が強く、布まで一緒に引き上げられていた。
そこで、裾に近い部分ほど太腿の影響を弱め、その分を腰へ移す。既存の服の形とUVは残し、身体そのものは削らずに調整。片脚を上げたときの過剰な引き上げは減った。
貫通への補正も、服全体を身体へ吸い付ける方向から、入り込んだ部分を外へ戻す方向へ。歩行での交差は減ったものの、肩や袖にはまだ残る。小さな揺れを足す試行も、実際の布の接触を解いたものではなく、裾の二次的な動きを近似した段階。
押し出すだけでは、服らしくならない
肩を持ち上げる、袖の追従先を変える、身体の外側へ押し戻す。いくつかの案を試すと、袖が翼のように横へ残ったり、脇に凹みや不自然なしわが出たりする。貫通だけを見て採用せず、見た目が悪くなる案は戻すことに。
調べると、歩行中には身体の肩や腕どうしが交差する箇所もあった。服だけで処理する前に、元の動きを残した別の動作で、腕が身体から少し離れるように調整。ただし、身体側の変更だけで交差がすべてなくなったわけではない。
その後の服の比較は、同じ身体の動きでそろえる。腕の動きを変えた効果と、衣装を変えた効果を混同しないため。
柔らかさを、そのまま全部は使わない
BlenderのClothで布の変形も試す。裾や腰に垂れは出るけれど、脇への巻き込みや胸付近の貫通、裾の乱れも増えてしまう。別の初期化試験では変形が大きく発散し、こちらも不採用。
そこで、基準の服と布計算後の形を混ぜて比較することに。まずは0・25・50・100%。ここでの%は、布計算による形の差をどれだけ加えるかという割合で、実際の布素材の硬さや柔らかさを表す数値ではない。
25%は巻き込みが比較的弱く、片脚上げで裾が太腿に乗る形もおおむね残る。50%ではしわや垂れが強くなり、歩行中の胸付近に肌の貫通が見えた。少なく混ぜれば問題が消えるわけでもなく、25%にも小さな布片の飛び出しが残った。
飛び出す裾と、つぶれる袖を直す
飛び出しを追うと、裾の前側の一部が本体とつながっておらず、襟の固定も効かないまま布計算で落ちていた。混ぜる割合を下げても、その崩れまで一緒に混ざってしまう。
この部分は、近くの本体の動きに追従させ、元の取り付け位置との関係を保つ方向へ。右袖のつぶれと左胸の凹みも、局所的に布計算の変形を抑え、基準形状を残すことに。
同じ補正を入れて、25・35・45%を再比較。歩行、腕上げ、前屈、片脚上げを並べる。浮いていた布片はなくなり、袖の折れと胸の凹みは小さくなった。裾が太腿に乗る形も維持。
25%は変化が控えめ。35・45%へ上げるほど胴や裾のしわが増え、前屈した胸まわりの折れも強くなる。一方、保護した袖には硬さと腕との隙間が残る。形を安定させた分、自然な垂れはまだ足りない。
柔らかさの基準を決め、丈も調整する
比較の次は30%を基準にして、裾を約7cm延ばすことに。25%と35%の中間を使い、右袖・左胸の保護と、離れていた裾の追従は残す。
丈は裾側だけを延長し、上半身へ向かって変更量を滑らかに減らす。基準姿勢での延長量は70mm。服全体を縦に引き伸ばしたものではない。
ただ、延ばした最初の案では、片脚を上げると太腿が布を突き抜けた。裾に限って身体の外側へ戻す補正を追加し、再確認。見えていた突き抜けは減り、布が太腿の上に乗る形へ。
立ち姿、歩行の代表姿勢、腕上げ、前屈、片脚上げの5つで比較した。上側の形を保ちながら丈を変えられたけれど、袖の硬さや接触部の折れ方にはまだ近似が残る。
決めた方向と、残っていること
この段階では、袖や胸の形を局所的に守りながら、布の変形を30%混ぜる方向に。飛び出す布片や胸の凹みを抑え、シワと垂れを加える基準ができた。丈の7cm延長は、そのうえで行った形の調整。確認した5つの静止ポーズの間も含めて、連続した動きが完成したわけではない。別の動きに、そのまま使える設定でもない。
その後、右肩の開口の下に見えていた細い肌の突き抜けも局所的に補正。開いた肩のデザインは残し、余計な筋状の露出を減らす。ここも交差が完全になくなったとは言えない。
次は、袖の硬さと腕との隙間、前屈時のしわ、動きの途中や背面の接触を確認すること。柔らかく見せたい部分と、形を残したい部分。その加減を、動かしながらもう少し詰めていきたい。